動悸とめまいがひどかった。

2か月、ブログ更新しなかったから、RYUさんに心配されてしまいました。

心配してくれる人がいるだけ、ありがたいことです。
6月から7月半ばにかけて、動悸と眩暈がひどかったです。特に動悸がひどく、朝4時5時ぐらいに自分の動悸で目が覚めてしまうのです。
まるで漫画『ワンパンマン』に出てくるキングの「キングエンジン」みたいな感じです。
(この漫画、人間を脅かす「怪人」を倒すヒーローの物語ですが、このキング、強面のオッサンでいつのまにか怪人が倒れているので、ヒーローランキング3位となっています。怪人と立ち向かう前、ドッドッドッドッという音が鳴り響くのでこれをみな「キングエンジン」と読んでいます。
実はこのオッサン顔に似合わず小心で、怪人をみてビビッていて、周りに鳴り響くほど動悸してしまうだけなのですが・・・。)

7月上旬に漢方を処方してもらってなんとか収まってきています。

早朝にそんな状態で、しかも体温がめちゃくちゃ高くなります。
しかし昼になると、体温が下がってひどく眠くなります。
自律神経が狂っているのでしょう。
漢方薬を処方してくれる病院にいき、問診のあと、柴胡加竜骨牡蛎湯(かいこかりゅうこつぼれいとう)と、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)を処方していただきました。
前者が動悸用、後者がめまい用のようです。
飲むと、あれほどひどかった動悸がしなくなりました。
今は、二か月近く部屋を片付ける気力もなくて荒れ放題のおうちを、少しずつ片付けています。

バルダック、軍辞めたってよ。

前まで言及していた、ロシア軍に所属していたメル友のバルダック君は、無事が確認されました。
勇気を出して、ゲームの中の彼のアカウントに話しかけました。
メールに返事がなかったのは、軍を辞めていてメールアドレスがわからなくなっていたそうです(軍のパソコンでやるなって!)
彼は、ウクライナなど行ってなくて、その前に軍を辞めていたそうです!
(バルダックはウクライナに行っていないよ、と言っていた人の言うことが正しかったのです。)
「自分たちチェチェン人は戦うことしかできないし、それしか知らない」と言っていた彼が、生計をたてている軍を辞められたのは、どうしてなのかわからないです。
貧しくなっても命あっての物種、と考えたのなら偉いです。
また、1月の半ばに、「葬儀に行くので数日ゲームにインしない」ということがあったので、それで例えば遺産相続などがあり軍で働かなくて良くなったのなら、彼にとって幸いです。
ただ、なんとなく、ゲーム脳の横柄なオッサンになってしまっていて、昔の、落ち着いていて思慮深く、苦労人なのがゲームのチャット越しにもわかるような人物とは全く変わってしまっていました。
オンラインゲーム漬けの、いわゆる「ネトゲ脳」は、日本人でも、アメリカ人でも、ヨーロッパ人でも、ロシア国民でも、同じです。
彼は、元のギルドのほか、もうひとつアカウントを作って別のギルドを立てていました。
(このゲームは課金要求が激しいので、彼が遺産でも相続したのかと考えているのはそのためでもあります。えらく羽振りがよいです。その羽振りの良さが、「実はアカウントを操作しているのは彼じゃなくて別の人」だと思った理由です。)
そのギルドに入るように言われましたが、私は断りました。
体調が悪かったので、ギルド対抗戦ができないと思ったので、別のギルドに入りました。
ギルド対抗戦はギルドメンバーのうち上位20名が参加できるのですが、加入したギルドはトップギルドで、私の実力では22番目ぐらいなので補欠で、ギルド対抗戦に出なくて良いのです。)
そうすると非常に怒り、口をきいてくれなくなりました。

懐かしいけど戻れない。

昔いた、ロシア語ギルドに、本当は戻りたいです。
一番楽しかったです。
1/7に、大雪が降ったとき、「東京で大雪が降ったから、会社早上がりになったよ」といったら、ロシア人たちから総ツッコミがはいりました。
「雪でなんで会社早く帰れるんだよ!?」
「融雪設備がないから、たった1センチの雪でも交通が止まるの。普段雪が降ることがないからタイヤチェーンも用意している人はほとんどいないし」
「スプリンクラーとか、砂とか用意されていないの!?」
「札幌など北海道の都市ならあるけど東京にはないの」
「はぁ・・・」
でも、そういう設備がないということ自体、ロシア人には想像もつかなかったようです(笑)。
ワンパンマンも、読み始めたのは、ワンパンマンや銀魂が好きだというメンバーが居たからです。
オンラインゲームをやっているとき、外国人と話すと、私が日本人だとわかるとすぐにアニメや漫画の話になるけれど、ロシア人たちはなかなかそういうことを言い出さなかったので、「やっぱりロシアにはまだあまり浸透していないんだ」と思ったら・・・全然違いました!
でも、ロシア人の口から「ワンパンマン」という言葉がでたときは椅子から転げ落ちるぐらい驚きました。
なんとなくですが、旧ソ連時代の記憶がある世代と、そうでない世代との間で、ジェネレーションギャップがある気がします。
若い世代は、漫画やアニメが大好きですが、年を取った世代はそうではないようです。
「うちの娘、19歳にもなって漫画が大好きで、特にナルトが好きなんだが、そんなんでいいのかね」と言ったのは54歳の、サンクトペテルブルク在住の紳士さん(すごい大金持ちのようです)。
私が「アニメの本場だからもちろんアニメも好きだけど、私はクラシック音楽が好き。ロシアの作曲家ならショスタコーヴィチとストラヴィンスキーが好きです」というと大喜びしました。
彼はオペラ「エウゲニ・オネーギン」について、どれほどチャイコフスキーの音楽が素晴らしいか、どれほどプーシキンの言葉の響きが優れているか、私に聞かせてくれました。
ロシア人は、ロシアが西側世界から嫌われていることを知っているので、私のようないわゆる「西側」に属している人間がロシアやロシア人に興味を持ち、ロシアの文化を好きでいてくれているのをことのほか喜ぶのです。
私がそのギルドを去ったのは、今起こっている戦争のせいではなく、嫌な奴が入団したからですが、戻れなくなったのはこの戦争のせいです。
ゲームだけの関係、ギルド対抗戦で指示された相手を倒すだけでコミュニケーションもほとんどないような関係なら、戻れたと思います。
でも私は彼らと仲良くなり過ぎているので、私が戻ったら、この戦争について彼らと同意見であることを求めるでしょう。実際、私がこの戦争について難色を示したとき、例の紳士さんは「ウクライナで戦争なんか起こっていない」と言い出しました。
別の人は「それはウクライナのナチスを粛正するために必要なことだ」と言い出しました。
私がギルドを去ったころ、戦争が起こる二週間ぐらい前ですが、彼らははっきりと「ウクライナを攻めたってロシアにいいことなんてなにもないし、ロシアの評判を悪くするだけだ」と言っていたのにもかかわらず、です。

彼らは怖がっている。

報道では、「ロシア人は洗脳されている」といわれているけれど、「洗脳されて」わずか二週間前の意見と正反対の政府のプロパガンダを言うとは思えないです。
為政者が無茶苦茶であればあるほど、彼らは怖がって本音を言わないのです。
「空気を読んで」為政者を称えるのです。
しかも、モスクワやサンクトペテルブルクなどの大都会で、オンラインゲームなどで遊べるような豊かなロシア人の家庭からは兵士を調達せず、貧しい「〇〇人民自治共和国」から兵士を調達するので、一般的なロシア人はあまり痛みを感じないのです。
痛みがないので、戦争に反対などして拷問されたりシベリアの荒れ地に流刑にされたりするよりは、黙って見て見ぬふりをして、為政者は正しいと言い張るのです。
まるでロシアの厳しい冬を、温かいペチカの前でみんなで固まってやり過ごすかのように。
私の友達のバルダック君は、軍を辞められたけれど、彼の居るチェチェン共和国のような、ロシア国内の貧しいロシア系ではない民族の自治共和国から、兵士が調達されます。
(チェチェンはまだましなほうで、それは首長のカディロフがプーチンに従っているからですが、その隣のダゲスタン、あるいはバイカル湖周辺のブリヤートなどは非常に戦死者が多いです。)
貧しい地域では軍に入るしか生計を立てる方法がなく、しかも貧しいので荒っぽいものも多く、戦地で略奪を働く者も多くなります。
そういう、ロシアの構造を、私はたった5か月ほどの小さなロシアコミュニティの中にいただけでも、見てしまいました。
この戦争を止めるためには、ロシア人が立ち上がらなければならず(戦争に負けただけでは、プーチンと同じような人間がトップに立つだけです)、立ち上がるためには彼らに痛みがなければならず、彼らに痛みが出るためにはロシア内の貧しい、兵士畑にされつづける貧しい地域を豊かにしなければならないのです。
私の見たものを、なんとか伝える方法がないのか、バルダックが言った「俺たちチェチェン人は戦うことしか知らないし、教えられていない」「チェチェンには何もない」というのを、なんとか世界に伝えられないか、そう、考えているのです。

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