この3か月で起こったこと。

見た目は普通に暮らしていますが、精神的には動揺しつづけています。

この3か月前、まずは自分の今までの価値観や考え方に疑問を持つような出来事が発生しました。それについて書こう書こうとしても、どうやってもうまく書けないでいるうちに、私の今までの在り方に強い衝撃を与えた人物に深くかかわる出来事が発生して悩み、さらにその人物に関して誰も信じてくれないような出来事が私の身の上に発生しています。

人としては、12月最後のブログの最後のほうに書いた、ロシア軍の軍人さんです。
(もうこの時点で書きますが、その人に深くかかわる出来事が発生したというのは、今の、ロシアとウクライナの間の戦争のことです。)

8月の終わりに、とあるロシア産のオンラインゲームを何の気なしにプレイして、いろいろわけあってロシア語のギルドに入ってしまい、英語をグーグル翻訳でロシア語にして(ロシアの人たちが言うことは逆にロシア語を英語に翻訳して)コミュニケーションをとっていました。
一番仲良くなったのが、その軍人さんで、彼は国籍としてはロシアですが、人種的にはロシア人でななく、チェチェン人でした。
上記のようなコミュニケーションで時間がかかる私の話を、辛抱強く聞いてくれる人でした。

毎日、いろんな話をして、その中で私は今の会社の話をしました。
今働いている会社は、3食無料の社食が提供されているのです。世界各国から従業員が集まっているためムスリムもいるので、彼らには専用のお弁当が提供されています。
そのことを(チェチェン人はムスリムなので)彼に言うと、「あなたの会社の社長さんは素晴らしい人だ、異なる宗教を理解している。彼に神のご加護がありますように」と喜んでくれました。

私は「少ないけどロシア人は居るよ。チェチェン人は多分居ないと思うけど、いつかチェチェン人の同僚ができたらいいな」と言いました。
すると彼は「チェチェン人はそんないい会社で働くことなんてないよ」と言い、さらに「だって、俺たちは戦うことしか知らないし、戦うことしか教わってないから」と言いました。
私は少し慌てました。
チェチェン紛争のことは、彼と知り合ってから少しは知ったつもりではいたのです。
でも、それが、(おそらく40歳~45歳ぐらいであろう)ひとりの人間の、10代後半から20代すべて(あるいは20代すべてから30代前半)を、戦うことだけに費やしてしまうようなものであったということを全く想像できていなかったのです。
豊かで平和な国の人間の、無意識のエゴイズムでした。
私は「でも、今なら、あなたの子供たちは、外国語やプログラミングなど習ってよい会社に勤められるかもしれない」と言いましたが、彼は「チェチェンには何もないんだよ。ハイキングをする自然があるだけさ」と言い、「ああ、子供たちに会いたい」と言いました。

彼には、14歳から8歳までの4人の子供たちが居て、奥様とは死別しており、子供たちを母に預けて軍で働いているというのです(8歳のお子さんが居るということは、チェチェン紛争そのもので奥様が亡くなったのではないはずですが、戦後の医療体制の不足などから亡くなったのではないかと推測しています。)
彼はいつも「家族が一番大切」と言っていたので、「休暇で帰宅するときは奥様と子供たちに囲まれた温かい家庭に戻るんだろうな」とほほえましく思っていたのですが、もっと重い意味だったと理解しました。

彼のその「チェチェン人はそんないい会社で働くことなんてないよ」「だって、俺たちは戦うことしか知らないし、戦うことしか教わってないから」 「チェチェンには何もないんだよ。ハイキングをする自然があるだけさ」 という言葉を聞いてからずっと、自分の今までの在り方を振り返っています。
ブログやSNSに非常に見栄えのする食事の写真をアップしたり、話題のスポットを訪れてその写真をアップしたりするのが、本当に食べたかったり行きたかったりしているのか、本当にすごく感動したから人にシェアしたいのか、それともただ単に自慢しているだけなのか、悩むようになりました。

なので(その会話は1月はじめのことでした)、それからずっと、ブログを書けないでいたのはそのためでした。
何度も何度も書いては消し書いては消ししていたのです。
どう書いても、私が受けた衝撃をうまく表現できないし、今書いたことを読んだ人がいたとして、「それでどうしてそんなにショックを受けたの」と思うかもしれません。

ようやくそのことについて書けそうかなと思ったとき、戦争がはじまりました。
始まってから、彼の1月後半からの言動で思い当たることが多すぎて、愕然としているのです。
そのことについても、また次に書きたいと思います。

画像
アスファルトジャングルの中の春。
名もなき場所にも春は確実にやってきました。


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コメント

  1. ヨル より:

    さくらねこさん、はじめまして。
    以前よりブログ読ませていただいております。
    今回はじめてコメントさせていただきます。
    これまでのブログを拝見しまして、勝手ながらさくらねこさんは繊細で感受性の高い方という印象を受けております。そして本記事でのチェチェン人の方のこと、そして現在のウクライナ侵攻のとこで大変心痛まれているのではと心配しております。

    そこで私からはとても浅いコメントになってしまいますが、ご自身が潰れないように必要以上に悩まれませんように、とだけ残させていただきます。

    またのブログ楽しみにしております。

    • さくらねこ より:

      ヨルさんはじめまして。
      以前から読んでいただいているとのことありがとうございます。
      はい、本当に苦しいです。
      戦争としては、これはロシア側が完全に悪いです。
      でも、こんな大義のない戦争に駆り出されるロシアの兵士のことを考えると、しかもその中に私の友達がいると考えると、本当に苦しいです。